消費者金融の金利が低くなった原因はみなし弁済?

消費者金融の金利が低くなった原因はみなし弁済?

消費者金融カードローンの金利が低くなった原因はみなし弁済なのか?

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近年の消費者金融カードローンの借入金の金利はどこでも100万円未満は18%、100万円以上で4.5%〜15%になっています。

 

実は、過去には29.2%という膨大な金利で貸出を続けていた時期がありましたが、それが現在のような金利になった遠因は「みなし弁済」にあります。

 

そして、大手消費者金融が都市銀行の傘下に加わった理由は資金繰りの悪化による経営の行き詰まりですが、そのきっかけになったのも過払い金返還訴訟における最高裁判所によるみなし弁済の否定判決です。

 

従来、消費者向けの個人融資に対する上限金利は利息制限法の規定(貸付金額によって15%〜20%)に則らなければなりませんでしたが、消費者金融はある規定によって利息制限法を無視した金利を設定していました。その規定がみなし弁済です。

 

みなし弁済というのは、1983年の「出資法」の金利引き下げにともない、貸金業者が不利益にならないようにする政治的配慮によって規定された「貸金業規制法」の43条のことです。

 

簡単に言うと、この43条さえ満たしていれば、利息制限法を超える金利を取ることが認められた法律です。従って、消費者金融は最高裁判所でも、「みなし弁済」を盾に貸出金利の正当性を主張しました。

みなし弁済が認められる条件には以下の5つがありました。

@貸金業者としての登録を受けている。
A貸付の際に、定められた事項を記載した契約書を交付している。
B返済金を受領する際に、定められた事項を記載した受取証書を直ちに交付している。
C債務者が約定金利による利息を「認識」した上で支払っている。
D債務者が約定金利による利息を「任意」に支払っている。

裁判で主に争われたのはDの「任意」かどうかということです。任意ということは自主的にということであり、脅迫めいた取り立てや、利息制限法を超える利息が無効であることを知らずに支払った場合はみなし弁済が無効となります。債務者の多くは利息制限法のことを知らずに返済していました。

 

また、任意で支払うべき利息であるはずなのに、その利息を支払えなくなった場合には借入金の一括返済をしなければならない契約条項があることは、利息の支払いを暗黙的に強要する形になっています。

 

最高裁判所は以上のことから任意であったとは認めず、みなし弁済を否定する判決を下しました。

 

この判決によって、消費者金融は利息制限法を超える金利で受け取っていた利息の返還を余議なくされたことで、経営が悪化します。また、この判決を契機に貸金業規制法が改正され、貸出の上限金利は利息制限法に統一されます。

みなし弁済の立証の難しさ

先ほど、みなし弁済が認められる条件を説明しましたが、裁判になった場合に立証するのは非常に厳しいものです。

 

例えば、3番の「返済金を受領する際に、定められた事項を記載した受取証書を直ちに交付している。」に関していえば、返済のすべてを店舗に来店してすれば、その時に計算書兼領収証で定められた事項を記載した書面を交付することができます。

 

来店しているのであれば、その際に署名を貰えば、実際に受け取り証書を交付した証拠になります。しかしながら、消費者金融で借りている人は少なからず借金を知られたくない人ばかりで、返済の大部分はATM返済や銀行振込が一般的です。

 

その場合、ATMから返済の書面は出たとしても、それを実際に交付しているとは言えません。また、当初ATMから出る計算書には定められた事項の記載が無いと弁護士側からの主張があり、受取証書として不足していたのです。

 

銀行振込の返済に至っては、受取証書を交付できません。仮に振込返済の人に郵送で受取証書を送ってしまえば、借入を内緒にしているのに、なぜ計算書を送るんだ!とガチ切れされるでしょう。しかも、署名がなければ実際に渡した証拠にもなりませんので、自宅に計算書を郵送して、尚且つ、署名して返信してもらう必要が出てきます。

 

こんな面倒な手続きを消費者金融ができたのか?そしてその手続きは本当に利用者にとってメリットがあることなのか?これらを考えた場合、受取証書を直ちに交付することは正直不可能でした。

 

最も酷いと言われたのは、5番の「債務者が約定金利による利息を「任意」に支払っている。」です。

期限の利益があると任意での支払いとは言えない?

みなし弁済を立証させるためには、債務者が利息制限法を超える利息を「任意」に払っていることが条件になります。しかし、最高裁は消費者金融の契約条項に期限の利益を喪失した場合は、一括で返済する条項があることから、支払いは任意とは言えないと言ったのです。

 

よく考えてください。契約書で約束を守らない場合には、一括で全額返済しますというのは、ごく当たり前の常識です。それが無い契約書があるのか?と言いたいところです。

 

消費者金融で期限の利益を認めないのであれば、貸したお金は返せるときに返せばいいですよ。期限も無期限ですよと言ってるものです。そんな条件で借りられるならば、みんな借りるはずです。

 

このように、みなし弁済は最高裁によって認められませんでしたが、このような納得できない理由もあったのです。



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